月別アーカイブ: 12月 2012

「はすに向く家(諏訪市)」竣工(林建築設計室、長野県)

【今週のコラム548 林 隆】 長野県諏訪市に建つこの家は、住宅と車庫の二棟からなり、設計期間10ヶ月、工事期間7ヶ月を経て12月15日に竣工引き渡しになりました。 現在南隣地は空地ですが、将来家が建つことが予想されます。敷地の西側には小さな川が流れその河川敷きの土手は、敷地より2mくらい高くなっています。土手を歩く人から見下ろされるような敷地なのですが、川の反対側には遠くの山並みを望むことができます。 そのような敷地条件の中で、敷地の使い方と建物の配置について検討を重ねることにより、南西方向に開くことが最も重要である事がわかってきました。主要な部屋が南西方向に向くことにより、①南隣地に家が建っても室内はいい環境が保たれる ②土手を歩く人と視線が合わない ③2階リビングから最も綺麗な景色が見える、というメリットがあります。 四角い建物を45度斜めに配置すると、敷地の四隅に使いにくい外部空間が残ってしまいます。そこで建物は方位と敷地形状に対して素直に据え、プラン的には45度ふれている間取りが生まれました。 家の中央を貫く斜めの壁を設け、その壁に沿って各居場所が斜め(はす)に向いて構えています。南西方向の「眺望の方向性」と「壁の角度」、このふたつの軸線は一致していて、偶然にも諏訪大社上社に向いているのです。 象徴的な斜めの壁を活かした有機的な動線計画により、階段を上がり2階に立った瞬間、目の前には自慢の景色が飛び込んで来るドラマチックな演出をしています。平面的に斜めの壁が存在することにより、2階の屋根を支える木造の化粧タルキは、1本1本すべての長さが異なり、外周部に接する部分の高さと角度が皆違うという大変複雑な納まりでしたが、大工さんをはじめ職人さんたちが丁寧に造ってくれまして、まさに構造美が表現されています。 建築主さんの想いがいっぱい込められた家が竣工しました。ここでどんな暮らしが始まるのか、建築主Kさん、またの機会に聞かせてくださいね。施工会社のKさんとIさん、そして工事に携わっていただいた多くの皆様方、お世話になりまして本当にありがとうございました。                          

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出版記念パーティー@中信(12月13日、松本市)「信州の建築家とつくる家」

「信州の建築家とつくる家・第9集」(日本建築家協会、JIA長野県クラブ編)の出版記念パーティー@中信 が、12月13日(木)18:30〜20:30 松本市で開催されます。 ご参加いただいた皆様へは、本のプレゼント、17名の建築家によるブックレビュー、質疑応答など、盛りだくさんの企画が用意されています。50人規模になる予定です。 家づくりや建築にご興味のある一般の方、大歓迎です。ぜひいっしょに楽しい時間を過ごしませんか。お席に多少の余裕がございます。お申し込みをお待ちしております。 【フェイスブック イベントページ】 https://www.facebook.com/events/370328973062140/ 【お申し込み、お問い合わせ、詳細】 JIA長野県クラブ事務局(電話 026−232−3897) http://www4.ocn.ne.jp/~jia-naga/ 11日の信濃毎日新聞、第1面に広告が掲載されました。  

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