「見える家」 (長野県東御市、2007年) 【住宅紹介125】
小高い丘の上に建っている家です。室内からは目の前に広がる風景を見下ろしながら、遠くの山並みを一望することができます。
室内空間を組み立てていく段階で、”必要な所に窓をつくる”のと同時に、”必要な所に壁をつくる”、ように意識しています。そして天井の高さ設定がとても重要です。 写真の家は、居間と食堂の位置関係を少し「ずらす」ことによって壁ができ「たまりの場所」をつくっています。その場所には螺旋階段とソファーが置かれ、居間と食堂の領域を緩やかに分離しています。
居間のソファーは、壁を背にした落ち着いた場所に据えられ、そこからは庭や遠くの景色・薪ストーブの炎・テレビを同時に見ることができるベストなポジションです。 食卓テーブルは、キッチンとのつながり方を重視し、外の景色も楽しむこともでき、あえて天井を低目にすることによって落ち着いた雰囲気になっています。広さ、高さ、色彩、素材感、照明計画などやはりバランスが大事ですね。
設計段階で、購入する予定の家具(テーブル、イス、ソファーなど)や電化製品(テレビ、音響機器など)の位置や大きさを想定しながら、照明器具の位置や高さまで整えていかれることをオススメします。