【今週のコラム549 林 隆】 長野県辰野町に建つ住宅「炉壁をつつむ大屋根」が上棟しました。この日は外から、柱と梁で構成される構造体をいろいろな角度から眺めてみたり、内部を歩いてみることにより空間の高さ関係をある程度まで認識できます。設計段階で意図したことを、はじめて原寸で体感できるワクワクする瞬間でもあります。
基礎工事を終えた段階で、建物の中央に高さ2mくらいのコンクリートの壁が立ち上がっていましたので、道行く人は不思議に思ったかもしれません。
この家の中心部に立ち上がる象徴的な炉壁には、オリジナル薪ストーブが取り付けられます。そして1階と2階は吹抜けを介して緩やかにつながり、瓦葺きの大きな一枚の屋根が内部空間を優しく包み込みようなイメージの建築です。
12月16日、天候にも恵まれて上棟式が無事に終わりました。突然の雨や雪に備えて屋根と外壁がブルーシートで覆われましたが、帰る時には、月の見える夜空がとても綺麗でした。竣工は来春の予定です。